「Vimeoとはどのような動画配信サービスなの?」
「VimeoとYouTubeの違いは?」
動画配信サービスと言えばYouTubeが有名ですが、DailymotionやTikTokなど数多くのサービスが提供されています。
Vimeoも動画配信サービスの一つで、視聴者に動画を販売できるなどYouTubeとは異なる特徴があります。
目的に合わせてVimeoとYouTubeを使い分けることで、動画マーケティングの効果を最大化できるでしょう。
本記事では、Vimeoとはどのような動画配信サービスであるのかをYouTubeとの違いを踏まえながらわかりやすく解説します。
目次
Vimeoとは
Vimeo(ビメオ)とは動画配信サービス(動画プラットフォーム)の一つで、2004年に米国でサービスが開始されました。
YouTubeと同様に動画を投稿して共有できるだけでなく、動画の販売や月額のサブスクリプション、レンタルなども可能です。
広告は一切表示されず、視聴者は快適に動画を視聴できます。
視聴方法はブラウザから見る方法とアプリをダウンロードする方法があります。動画を見るだけなら無料で、会員登録も不要です。
広告が表示されないため、投稿した動画が視聴されても広告収入は得られません。
しかし、YouTubeでは禁止されている動画の有料販売が可能で、動画の販売料や月額のサブスクリプションなどが収益源になります。
Vimeoの料金プラン
Vimeoの料金プランは5種類あります。
- 無料プラン
- 月額1,200円:Starterプラン
- 月額2,900円:Standardプラン
- 月額5,500円:Advancedプラン
- 要見積もり:Enterprise
無料プランもありますが、本格的に活用する場合には、有料プランへの加入が必要です。
それぞれの料金プランの詳細について解説します。
無料プラン
無料プラン(Freeプラン)は、完全無料で利用できるプランです。
動画の投稿数が1ヵ月2本までという制限があり、総計25本を超える動画の投稿はできません。
有料プランにアップグレードすると、25本を超える動画を保存して公開できるようになります。
基本的な動画分析は可能で、視聴回数などのパフォーマンスをモニタリングできますが、動画作成・編集ツールやマーケティングツールの利用は制限されます。
なお、無料プランでも広告は表示されません。
月額1,200円:Starterプラン
Starterプランは、年額14,400円(1ヶ月あたり1,200円)で年間60本の動画をアップロードできるプランです。
月払いと年払いを選べ、月払い(月額2,000円)を選ぶとアップロードできる動画は月5本までになります。
年払いの方が40%OFFになるのでお得です。
動画の作成・管理・共有に役立つツールキットを利用できるなど、無料プランにはない機能を実装していることも魅力です。
パスワードを設定して限定公開にすることもでき、会員など特定の人だけに情報を共有できます。
Starterプランには無料の「7-dayトライアル」があり、7日間試してみてから申し込むことが可能です。
なお、他の有料プランにも無料トライアルがあり、気軽に試せます。
月額2,900円:Standardプラン
Standardプランは、年額34,800円(1ヶ月あたり2,900円)で年間120本の動画をアップロードできるプランです。
最も人気が高いプランで、多彩な動画マーケティング・カスタマイズ機能を実装しています。
料金の支払い方法は年払いだけで、月払いはできません。
Standardプランからはオンデマンドで動画の販売が可能になり、10%の手数料を支払うことで収益化が図れます。
無料プランやStarterプランは動画の販売ができないため、収益化を図りたい場合はStandardプラン以上のグレードのプランを選びましょう。
月額5,500円:Advancedプラン
Advancedプランは、年額66,000円(1ヶ月あたり5,500円)で年間240本の動画をアップロードできるプランです。
Standardプランと同じく料金の支払い方法は年払いだけで、月払いはできません。
ライブストリーミングやバーチャルイベント、ウェビナーなども可能で、ライブ質問セッションやチャット、アンケートなどの機能も使えます。
Splashと統合して、バーチャルイベントの登録や分析機能を利用することも可能です。
ライブ配信やウェビナーを開催して収益化を図りたい場合は、AdvancedプランかEnterpriseをおすすめします。
要見積もり:Enterprise
EnterpriseはVimeoの全ての機能を利用できる最上位のプランです。
3本以上の動画をリアルタイムでライブストリーム配信できるなど、高度な機能を駆使してクオリティの高い動画を配信・投稿できます。
大規模な組織の動画マーケティングに最適です。
カスタマーサービスも充実しており、24時間年中無休のサポートが受けられ、受賞歴のある制作チームが全面的に支援してくれます。
料金はサービス内容によって異なり、Vimeoチームへの問い合わせが必要です。
VimeoとYouTubeの違い
VimeoとYouTubeは広告表示や収益化の仕組みなどが異なります。
動画マーケティングを成功させるには、2つの動画配信サービスの違いやメリットを理解して、上手く併用することが重要です。
ここでは、VimeoとYouTubeの違いについて見ていきましょう。
ユーザー数はYouTubeが圧倒的
YouTubeは全世界で20億人以上のユーザーが利用しており、日本国内の18歳以上の月間ユーザー数は約7,000万人です。
一方、Vimeoのユーザー数は全世界で約2.6億人であり、YouTubeと比較するとユーザー数は大幅に少ないです。
より多くの人に動画を視聴してもらいたい場合には、YouTubeの方が圧倒的に有利です。
Vimeoは対象を絞ってクオリティの高い動画を視聴してもらうのに向いています。
参考:
https://blog.youtube/press/
https://www.thinkwithgoogle.com/intl/ja-jp/marketing-strategies/video/youtube-recap2022-2/
https://vimeo.com/jp/
Vimeoは基本的に有料プランが前提
Vimeoは広告費ではなく、動画投稿者から利用料金を徴収して運営しています。
無料プランもありますが、制限があるため、基本的には有料プランに加入する前提でサービスを利用するのがおすすめです。
視聴者は無料で動画を視聴でき、販売している動画を購入することも可能です。
一方、YouTubeはチャンネル開設や動画投稿などは全て無料です。
YouTubeは広告費で運営されており、視聴者や動画投稿者に金銭的な負担はかかりません。
なお視聴者のみ、YouTubeプレミアムやメンバーシップなどの有料プランがあります。
Vimeoは広告が表示されない
Vimeoは無料プランでも広告は表示されません。
これはYouTubeにはない大きなメリットです。
視聴者は広告が表示されないストレスフリーの環境で動画を快適に視聴できます。
一方YouTubeには、インストリーム広告やインフィード動画広告、マストヘッド広告、ディスプレイ広告が表示されます。
なお視聴者は有料プランのYouTubeプレミアムに加入すると、広告は表示されなくなります。
Vimeoの動画投稿基準は厳しい
Vimeoは動画投稿時の基準が厳しく、投稿者自身が作成したオリジナル作品の動画しか投稿できません。
プロが制作したクオリティの高い動画が投稿されやすく、視聴者は芸術性に優れた美しい動画を視聴できます。
一方YouTubeは誰でも無料で簡単に投稿できるため、クオリティの低い動画や重複コンテンツなどが投稿されることがあります。
VimeoとYouTubeを比較すると、Vimeoの方がクオリティの高い動画が投稿されやすい特徴があります。
Vimeoは公開範囲の設定が細かい
Vimeoは公開範囲を細かく設定できます。動画にパスワードを設定すると限定公開にでき、パスワードを知っている人だけが視聴できる環境を構築できます。
ドメインを指定して、限られたサイトでしか視聴できないようにすることも可能です。
したがってVimeoは、eラーニングや会員向けサイトなどで動画を配信するのに適しています。
YouTubeは公開範囲を「公開」「限定公開」「非公開」の3段階で設定できますが、パスワード設定などはできず、セキュリティ対策はVimeoの方が優れています。
YouTubeは広告収益、Vimeoは動画の有料販売やレンタルなど
YouTubeの主な収益源は広告収益であり、視聴回数が増えるほど収益が増加します。
一方Vimeoは広告収益は得られず、動画の有料販売、レンタル、月額のサブスクリプションなどが収益源になります。
Vimeoで収益を増やすには、お金を出してでも視聴してもらえるクオリティの高い動画を投稿する必要があります。
Vimeoを利用するメリット
Vimeoを利用するメリットは主に以下の3点です。
- 動画の販売やレンタルが可能
- 広告表示がされない
- 安全なセキュリティ
それぞれ解説していきます。
動画の販売やレンタルが可能
Vimeoを利用するメリットは、動画の販売やレンタルが可能であることです。
売上の10%が手数料として差し引かれる仕組みになっています。
ただし、動画を販売できるのはStandardプラン以上で、無料プランとStarterプランは動画の販売はできません。
動画の販売やレンタルは料金を細かく設定でき、予約販売も可能です。
自社サイトに動画を埋め込んでパスワードを設定すると、簡単に動画を販売できます。
ドメインの指定ができるため、他のサイトに無断で転載されることもありません。
広告表示がされない
広告表示がされないこともVimeoのメリットです。
動画の途中で広告が流れると視聴者が離脱してしまうことがありますが、Vimeoだと最後まで視聴してもらえる可能性が高まります。
視聴者はクオリティの高い動画を快適な環境で視聴できます。
動画をサイトに埋め込む際は、動画プレーヤーをカスタマイズできます。
動画に合わせてプレーヤーの色を変えたり、Vimeoのロゴや「いいね」ボタンを非表示にしたりすることでユーザビリティが向上します。
安全なセキュリティ
Vimeoはセキュリティが安全です。
動画にパスワードをかける機能や特定のドメインだけしか視聴できない機能などで、不特定多数の人による動画の共有を防げます。
セキュリティが安全であるため、会員限定サイトや社内ポータルサイトなどに動画を埋め込むのに最適です。
細かな公開設定ができるのはVimeoならではの特徴です。
YouTubeを利用するメリット
YouTubeを利用するメリットは主に以下の2点です。
- より多くの視聴回数を獲得できる可能性がある
- 検索ユーザーに視聴される可能性が高まる
それぞれ解説していきます。
より多くの視聴回数を獲得できる可能性がある
YouTubeを利用するメリットは、より多くの視聴回数を獲得できる可能性があることです。
全世界で20億人以上のユーザーに対して動画を公開できるため、動画の内容によっては多くの視聴回数の獲得が期待できます。
視聴者の年齢層も幅広く、10~30代の若年層だけでなく、40~50代以上の世代もYouTubeを視聴しています。
ターゲットを絞って動画を配信したい場合もYouTubeは最適です。
YouTubeは動画マーケティングに欠かせないプラットフォームだといえるでしょう。
検索ユーザーに視聴される可能性が高まる
YouTubeはGoogleの検索エンジンやYouTube内の検索バーからの流入も期待でき、不特定多数の人に動画を視聴してもらうのに最適です。
YouTubeアナリティクスを使用するとSEO対策ができ、タイトルやサムネイルを最適化することで視聴者を増やせる可能性があります。
SEO対策を施し検索上位に表示されると、再生回数やチャンネル登録数の増加につながり、広告収益を増やせます。
Vimeoも検索結果に表示されますが、Google傘下のYouTubeの方が有利です。
Vimeoを活用している企業事例
Vimeoは映画のような高画質の動画を多種多様な方法で配信でき、マーケティングやブランディングに活用できます。
ここでは、Vimeoを活用している企業事例を紹介します。
Tarform
Tarform(ターフォーム)は米国ニューヨークのブルックリンを拠点に、電動バイクの開発・製造を行っている企業です。
最新のテクノロジーとクラシカルなデザインが特徴で、Vimeoをマーケティングやブランディングに活用しています。
ノスタルジックな雰囲気の動画でクラシカルなデザインの電動バイクの魅力を伝えたところ、ユーザーの関心が800%上昇しました。
映画のようなクオリティの高い動画をVimeoで配信したのが成功の要因です。
出典:https://vimeo.com/586843140
evolvetogether
evolvetogether(イボルブトゥギャザー)は米国ニューヨークを拠点に、日系アメリカ人デザイナーのシンシア・サカイ氏が手掛けるパーソナルケアブランドです。
ファッショナブルな高機能マスクが日本でも大人気になり、Vimeoでブランドの魅力を伝えています。
Vimeoの動画をSNS上で配信したところ、インタラクション率が20%増加しました。
「性別や人種、宗教などに関係なく全ては繋がっている」という企業理念を美しい動画で表現できたことが成功の要因です。
出典:https://vimeo.com/586822681
Chapter20
Chapter20(chapter twenty)は米国ニューヨークを拠点に、抗菌スキンスプレーを製造・販売している企業です。
低刺激であらゆる肌タイプに使用でき、敏感肌や妊娠中の方でも安心して使用できます。
抗菌スキンスプレーのプロモーション動画をVimeoで配信したところ、製品への関心度が30%上昇しました。
どのような肌でも安心して使えることを高画質な動画でアピールできたことが成功の要因です。
出典:https://vimeo.com/586815034
Vimeoの特徴やメリットを理解して効果的に活用しよう
VimeoはYouTubeにはないさまざまなメリットがあります。
- 動画の有料販売やレンタルが可能
- 広告表示がされない
- 細かな公開設定
目的に合わせてVimeoとYouTubeを使いわけることで、動画マーケティングのパフォーマンスを最大化できます。
Vimeoに関するよくある質問
最後にVimeoに関するよくある質問に回答します。
Vimeoは無料でどこまでできますか?
Vimeoの無料プランでは、1ヶ月に2本まで動画投稿が可能で、総計25本を超える動画の投稿はできません。
基本的な動画分析機能は可能で、視聴回数などは確認できますが、動画作成・編集ツールやマーケティングツールの利用は制限されます。
Vimeoは有料ですか?
Vimeoには無料プランと有料プランがあります。
有料プランは月額1,200円のStarter、月額2,000円のStandard、月額6,500円のAdvanced、見積もりが必要なEnterpriseの4種類です。
Vimeoはどうやって見るのですか?
Vimeoにアクセスし、視聴したい動画のサムネイルをクリックすることでVimeo上で動画を視聴できます。
Vimeoのメリットは何ですか?
Vimeoのメリットは以下の3点です。
- 動画の販売やレンタルが可能
- 広告表示がされない
- 安全なセキュリティ
詳しくは「Vimeoを利用するメリット」をご覧ください。