サービス紹介動画やブランディング動画を「アニメーション動画」によって制作することを考えられる企業様が増えてきています。
アニメーション動画は複雑な無形サービスであってもわかりやすく表現することができ、実写動画と比較するとコストを大きく抑えることができる優れた表現手法です。
本ページでは、アニメーション動画の種類やメリット、デメリットについて解説をします。
また、数あるアニメーション動画の制作会社の中からどのようなポイントで依頼する制作会社を選んだらよいのかのについてもお伝えします。
最後まで読んでいただくことで、アニメーション動画の基本的な情報から、発注するべき会社の特徴までが明確になるので、ぜひご覧ください。
目次
アニメーション動画とは?
アニメーション動画とはイラストや静止画に動きをつけた動画のことを指します。
一般的な「実写動画」とは異なり、撮影を必要とせず、複雑な情報でもわかりやすく整理して伝えることができるのが特徴です。
言葉で聞いた説明だけではわかりにくい情報も、図やグラフがあるだけで理解しやすくなったという経験は誰しもあるかと思います。
また、最近では撮影がしにくい状況もあり、撮影を必要としないアニメーション動画の需要が高まっています。
アニメーション動画の種類
アニメーション動画と一口に言ってもその種類は多岐に渡ります。
ここからはアニメーション動画の種類とそれぞれの特徴について解説していきます。
イラストアニメーション
2Dイラストを使ってアニメーション動画を制作する手法です。
一般的に「アニメーション動画」はこのイラストアニメーションを指すことが多いです。
カスタマイズ性が高く、複雑な情報でもわかりやすく表現することが可能です。
また、アニメーション動画の中ではコストを抑えやすく、制作期間も比較的短いことから人気のフォーマットです。
- イラストアニメーション動画制作時の参考価格:50-100万円程度
- イラストアニメーション動画制作時の制作期間:1~1.5ヶ月程度
線画アニメーション
イラストアニメーションと同じように2Dイラストを動画化する手法ですが、イラストの種類が線画で表現されています。
線で演出することにより、一般的なアニメーション動画よりも個性的な演出が可能です。
- 線画アニメーション動画制作時の参考価格:50-100万円程度
- イラストアニメーション動画制作時の制作期間:1-1.5ヶ月程度
モーショングラフィックス
アニメーションモーショングラフィックス動画とは、静止画や図形に動きをつけて動画にするアニメーション手法です。
静止画や図形等が中心なのでシンプルな演出がしやすく、スタイリッシュに見せることが可能です。
- モーショングラフィックスアニメーション制作時の参考価格:150-300万円程度
- モーショングラフィックスアニメーションの制作期間:1.5-2ヶ月程度
インフォグラフィックスアニメーション
https://www.youtube.com/watch?v=cVxOtGitxPI
インフォグラフィックスアニメーションとは、定量情報をグラフや数字などを用いながら視覚化し、演出するアニメーション動画制作手法です。
数字を用いて客観的な事実をベースに訴求を行うことができるので、信憑性の高さをアピールできるアニメーション動画です。
- インフォグラフィックスアニメーションの参考価格:50-100万円程度
- インフォグラフィックスアニメーションの制作期間:1-1.5ヶ月程度
ホワイトボードアニメーション
ホワイトボードアニメーションとは、白い背景に文字やイラストを書き込んでいく動画制作手法です。
最近では、Vyondなどのアニメーション動画制作ツールを使えば動画制作初心者の方でも手軽に制作できるようになってきています。
使用する動画編集ソフトによってはコストを抑えることができる点や、動画制作にかかる期間が比較的短いことが挙げられます。
- ホワイトボードアニメーションの参考価格:20-30万円程度
- ホワイトボードアニメーションの制作期間:3週間-1ヶ月程度
タイポグラフィアニメーション
タイポグラフィアニメーションとは、文字に動きをつける特徴的なアニメーション動画制作手法です。
テキストに動きを加えて表現する動画制作手法なので届けたいメッセージが直感的に伝わりやすいです。
- タイポグラフィアニメーション動画制作時の参考価格:100-200万円程度
- タイポグラフィアニメーション動画制作時の制作期間:1.5~2ヶ月程度
ピクトグラムアニメーション
https://www.youtube.com/watch?v=rw7im4KtrTQ
ピクトグラムアニメーションとは非常口のマークのようなシンプルなイラストを活用したアニメーション動画です。
良くも悪くもイラストは非常に簡素なので、余計な情報が少なく要点だけ伝えることには向いています。
- ピクトグラムアニメーション動画制作時の参考価格:30-50万円程度
- ピクトグラムアニメーション動画制作時の制作期間:1~1.5ヶ月程度
3Dアニメーション
3Dアニメーションとは、3D空間を活用しながら動画を制作することで立体的な演出ができる動画制作手法です。
立体的に表現できるため、一般的な2Dアニメーションよりもリッチに表現することができます。
- 3Dアニメーション動画制作時の参考価格:200-500万円程度
- 3Dアニメーション動画制作時の制作期間:2.5~3.5ヶ月程度
フルアニメーション
イラストを全て書き起こし、映画さながらのクオリティで制作するアニメーションです。
柔軟にストーリー展開を広げることができるので、ストーリー性のある動画制作をご検討の際には効果的です。
- フルアニメーション動画制作時の参考価格:400-600万円程度
- フルアニメーション動画制作時の制作期間:2.5~3.5ヶ月程度
アイソメトリックアニメーション
アイソメトリックアニメーションとは、2Dイラストに傾斜をつけて3Dさながらの立体感を演出する最近注目の動画制作手法です。
3Dアニメーションよりも価格と動画制作期間を抑えて制作することができることに加えて、2Dアニメーションよりもリッチな演出が可能です。
- アイソメトリックアニメーション動画制作時の参考価格:70-150万円
- アイソメトリックアニメーション動画制作時の制作期間:1.5-2ヶ月程度
いかがでしたか?
このように一口にアニメーション動画と言っても多くの動画制作手法が存在します。
自社の目的に合わせて適切な動画制作手法を選定しましょう。
制作するメリット
目に見えないモノ・コトを可視化できる
アニメーションで動画制作をするメリットの1つとして、目に見えないモノ・コトを可視化できるということが挙げられます。
例えばWEBサービスの概念を紹介したいときには、実写の動画制作では適切に表現できない場合があります。
アニメーションの動画制作であれば、目に見えないモノやコトもイラスト等で表現することができるのでわかりやすく伝えることが可能です。
原則、表現の限界がない
実写の動画制作の場合は、現実に可能な演出でないと表現できないのに対して、アニメーションの動画制作は制作スタッフの表現力次第であらゆるモノやコトを演出することができます。
そのため、表現の幅が広いというメリットがあります。
コストを抑えやすい実写の動画制作の場合は、撮影や編集以外にも、キャスティング、スタジオの確保など動画制作の実働以外に多くの経費が発生しますが、アニメーションの動画制作の場合は、それらの費用が発生しないため、コストを抑えやすい傾向にあります。
また、納品後に動画の修正をしたい場合にも、アニメーションの動画制作の場合は数万円で修正が完了することがほとんどです。
実写の動画制作の場合は、キャストのアサインやスタジオの確保など撮影準備の段階からやり直しになってしまうこともあります。
その場合には、新たに動画を制作する必要が発生してしまい、動画制作費用が倍程度かかってしまうケースもあります。
デメリット
絵力が弱い
アニメーション動画の演出方法にも影響されますが、一般的には実写の動画制作と比べると絵力が弱い傾向にあります。
テレビCMのようなインパクトが重要な動画には、アニメーション動画は向いていません。
キャスティングができない
実写での動画制作の場合には、有名タレントに出演してもらうことで、動画にインパクトを出すことも可能ですが、アニメーション動画の場合にはキャスティングができません。
そのため、動画の出演者以外のポイントで動画のクオリティを高める必要があります。
自社でアニメーション動画の制作はできる?
各種動画制作用のソフトやツールを用いることで、アニメーション動画を自作することも可能です。
例えば、アドビ株式会社が提供している「Adobe After Effects(アドビアフターエフェクツ)」はアニメーション動画を制作するソフトとして有名です。
ただし、動画制作の難易度は高いです。
動画制作の初心者の方の場合には、「Vyond(ビヨンド)」や「VideoScribe(ビデオスクライブ)」を使うことで比較的簡単にアニメーション動画を制作することが可能です。
これらはホワイトボードアニメーションと呼ばれる動画制作方法で、既存のイラスト素材やエフェクト素材を組み合わせてアニメーション動画を制作するので、動画制作の知識がない方であっても簡単に動画が制作できます。
自社で制作するメリット
ここでは、アニメーション動画制作を外注せずに、自社で制作するメリットについて見ていきましょう。
コストを抑えられる
やはり一番はコストを抑えられるということです。
基本的には動画制作ソフトの使用料のみ払えばいいので、月額数万円程度でアニメーション動画を制作することが可能です。
ただし、一般的には年単位の契約形態が多いので、継続的にアニメーションの動画制作を行う予定がないのであれば、逆に割高になってしまうので注意しましょう。
納得がいくまで修正ができる
一般的にはアニメーション動画を外注した場合、修正制限が設けられているケースがほとんどです。
そのため、納得がいくまで修正ができなかったということも発生してしまいます。
一方、自社でアニメーション動画を制作する場合であれば、当然納得いくまで修正を続けることができます。
ただし、修正をしても納得のいくクオリティにまで改善ができるかは担当者の方の技術力次第になるので、注意が必要です。
自社で制作するデメリット
自社でアニメーション動画を制作する場合には、もちろんデメリットも存在します。
自社でアニメーション動画の制作を検討する前にデメリットについても理解しておきましょう。
アニメーション動画が希望していたクオリティに到達しない
動画制作は通常数年以上の経験を積んで、身につけていく専門スキルです。
自社で求めているクオリティにもよりますが、社外に対して自社商品などをアピールするための動画のクオリティにまで仕上げようと思うと、それ相応の動画制作スキルが求められます。
一見簡単そうに見える動画であっても、動画制作経験のない方が担当しようと思うと、予想以上にハードルが高いこともあるので気をつけましょう。
アニメーションの動画制作完了までに時間がかかる
アニメーション動画の場合、長年経験を積んできた動画クリエイターが担当しても、1〜1.5ヶ月程度の制作期間がかかります。
そのため、アニメーション動画の制作経験がない場合には、倍以上の期間がかかってしまうことも想定されます。
アニメーション動画を作る原価自体は安く抑えられますが、結果として人件費が膨大にかかってしまう場合もあるので、注意が必要です。
アニメーション動画制作会社の選び方
アニメーション動画の制作を依頼する会社を探そうと思うと、さまざまな会社があり、迷われてしまう方もいらっしゃるかと思います。
そこで、アニメーション動画の制作を依頼できる会社の選び方についてここからは解説していきます。
アニメーション動画の制作実績はどれくらいあるか
まずはじめにアニメーション動画の制作実績がどの程度あるのかをWEBサイトで確認しましょう。
基本的に動画制作会社はWEB上で制作実績を公開しているため、このチェックは容易に行えるでしょう。
また、制作したいアニメーション動画のイメージがすでにある場合には、イメージしているアニメーション動画のクオリティに達している動画制作実績があるのかについてもチェックをしましょう。
その他にも、同業界の制作実績があるのかも重要なポイントの一つになります。
業界理解が浅い場合には、自社で伝えたいポイントが制作会社に中々伝わらず、良い提案に繋がらないケースもあります。
動画制作は内製か外注か
動画制作会社の中には、プロデューサーやディレクターだけ社内に在籍していて、実際に動画を制作するクリエイターは外部のフリーランスクリエイターが制作している会社も多くあります。
外部のクリエイターが動画を制作している場合、そのクリエイターの実績も見せてもらうようにしましょう。
会社の実績が素晴らしい会社だとしても、実際に制作をするクリエイターは目立った実績がないということもあり得ます。
そうなると期待していたクオリティ通りの動画にならない可能性もあるので、気をつけましょう。
動画制作の修正は何回まで可能か
動画制作会社は、動画制作の修正回数に限度を設けているケースがほとんどです。
特に初めての動画制作の場合、うまくイメージを伝えることができずに何度か修正を依頼することもあるかと思います。
動画制作の修正回数が1回のみだと、理想としていたクオリティに達することができない場合もあります。
- 動画の修正回数は何回なのか?
- 追加で修正した場合は費用が発生するのか?
このような点は事前に確認をして2回程度の修正まで可能かをチェックしましょう。
制作した動画の著作権はどちらが保有するか
制作した動画の著作権範囲も必ず確認しておきたい項目の一つです。
著作権を譲渡しないパターンや一部を譲渡しないこともあります。
その場合、二次利用ができない、複製が禁止されている、編集ができないといった制限が設けられてしまので、制作したアニメーション動画の使用用途を想定しながら著作権については確認をしておきましょう。
動画制作の提案力
担当プランナーやプロデューサーの提案力もアニメーション動画の制作会社を選定する際に見ておきたいポイントの一つです。
動画制作は納品まで提案の連続です。
提案力のないプランナーやプロデューサーとの動画制作だと、あなたが想定した以上のクオリティになることはありません。
コンセプトから提案をしてくれる制作会社や、演出のみ提案してくれる制作会社など提案の幅はさまざまなので、あなたが求めている提案範囲をカバーできる制作会社なのかはチェックしておきましょう。
アニメーション動画制作のスケジュール
動画制作会社によってアニメーション動画の制作スケジュールは異なりますので、必ず納期までのスケジュールは聞いておきましょう。
また、スケジュールを確認する際には期間だけでなく、制作工程も確認しておくべきです。
工程が細かく設定されておらず、あまりにもざっくりとしたスケジュールを出す会社は、修正対応が入った場合に大きくスケジュールが後ろ倒しになってしまうリスクがあります。
各制作会社からスケジュールをもらった際に制作工程の細かさにも目を向けておくと良いでしょう。
価格
まったく同じ内容で依頼をしても、制作会社によっては、制作費用が2〜3倍かかることもあります。
これは各制作会社の体制によって、制作原価が異なるためです。
アニメーション動画の制作会社を選定する際には、その動画の相場感を知るという意味でも、なるべく複数社に問い合わせることをおすすめします。
アニメーション動画を制作する流れ
ここからはアニメーション動画の制作を依頼した際の流れについて解説します。
一般的にアニメーション動画を制作する流れは以下になります。
プランナー、プロデューサーとの打ち合わせ
プランナーやプロデューサーから動画の提案を受けます。
この段階では費用は発生しないことが多く、担当者と一緒にアニメーション動画のイメージを具体的にしていきます。
見積もりやスケジュールなどを提示してもらう希望する動画の内容を元に、見積もりやスケジュールを提示してもらいます。
複数の制作会社から見積もりをもらっている場合には、ここで最終的に依頼する動画制作会社を選定していきます。
シナリオ作成
シナリオ(台本)の作成では、動画のナレーションを作成します。
ここまでで動画の全体ストーリーが決まります。
イラストチェック
アニメーションにするイラストを2〜3カット提出し、動画のデザインやトンマナを明確にしていきます。
絵コンテ
アニメーション動画の全カット分のイラストを作成します。
ここに動きを付ければアニメーション動画になります。
また、絵コンテの決定まででどのようなイラストにするかは決まってしまうので、気をつけましょう。
この後、絵コンテを動画の状態にしてから、修正指示を出してしまうと、動画制作会社によっては追加費用を求められる可能性があります。
初稿動画
イラストに動きをつけてアニメーション動画に仕上げます。
この段階では、ナレーションのみ仮で入れている場合が多いですが、それ以外は全て納品できる段階になります。
修正稿
初稿段階でご確認いただいた動画に修正点があればそれを反映したものをお出しします。
ナレーション収録
修正を反映させた動画を元にナレーションを収録します。
ナレーションを一度収録してしまうと再収録には費用が発生してしまうケースがほとんどなので、ナレーション収録前に必ずナレーション原稿を細かく確認しておきましょう。
納品稿
修正が完了した動画にナレーションを当て込んで納品となります。
まとめ
今回はアニメーション動画の種類などの基本的な情報から、アニメーション動画を採用するメリット、デメリットについてもお伝えしました。
また、数ある動画制作会社の中からどのようなポイントで、アニメーション動画の制作を依頼する会社を選定するのかについても解説いたしました。
ぜひ、今回の内容を参考にして、アニメーション動画を制作する際にお役立ていただければと思います。
また、弊社の提供する動画制作プラットフォーム「Lumii」では、アニメーション動画を得意とするクリエイターに直接依頼することが可能です。
一般的なアニメーション動画の3分の1程度の費用で、高クオリティな動画を制作することができるので、ぜひ一度サービスの商談をご覧いただけますと幸いです。